aionとhacoとbiscuit

メンヘラという言葉を聞くと、昔一緒にプレイしていた女の子を思い出す。
今思えばあればメンヘラと呼べる程のものだったのだろうか?とも思うのだけれど、


出会った時のことや急に連絡が取れなくなったこと。
一緒にクリアした高難易度や新しいゲームをとっかえひっかえした日々。
彼女と過ごしたネトゲライフは自分に取ってとても楽しい思い出として残っている。


数年間一緒にゲームをしていた思い出は文章にするとちょっとした文庫になるんじゃないかというくらい色んな出来事があった。
知り合ったきっかけと印象的だった出来事を今後書き留めていきたいと思う。


初めて出会ったのはAION gamez鯖だった。
今はもうほぼ死滅してるだろうエミュ鯖と言われるもの。


エミュ鯖はドロップ率が公式の何十倍の設定がされていたり、1日1回の制限がなかったりする。エミュについて書くとまた長くなるので後日。


その頃のAIONには50ディーヴァクエと言われるレベルカンストしたあと5段階くらいのクエがあり、全てこなすと全身装備がもらえる。

これがまたけっこうマゾくて出るかわからないドロップアイテムを30個もってこい×15とかだった気がする。


そのクソマゾ装備を着てパンデモ(首都みたいなとこ)に突っ立っていたのが彼女だった。この装備は狩りには強いけれどPVPでは弱い。


FFの零式をしない人たちと言えばいいのだろうか、AIONはPVPがエンドコンテンツとして存在していてその為に装備を集めるものだった。

それでもPVPをしない人っていうのは人口の大多数を占めていたと思う。


その頃私は知り合いと二人でひたすらPVPをしていて、暇さえあれば敵対種族を殺しに行き煽る。相手を発狂させるのが楽しい毎日だった。

 

いわゆる狩り豚と呼ばれる人たちとの接点は全くなく興味本位から声をかけた。
更にエミュでは失うものが少ないので狩りだけするってどういう感覚なのか全くわからなかった。


男か女かそもそも日本人なのかどうかすらわからないままだったが、今の自分よりもっと社交的というか無鉄砲だったのもあり、初めに会話してからはすぐに仲良くなった。


日本鯖をやっていたけれどやめてしまったこと。
まだアイオンをやりたくてエミュ鯖をはじめたこと。
日本鯖でもPVPはほとんどしたことがないこと。

 

狩りが特別好きなわけではないけれどアイオンが好き。
狩り豚の人ってそんな人が多いのかなと思った。


彼女は昔でいう廃人で毎日長時間ログインしていた。
(後々アイオンマスターサーバーで一緒にプレイすることになるのだが、私がレベリングについていけないレベルだった。)


ひとつ今でも印象的なのが操作方法が特殊だったこと。

FFでもたまに意味不明な操作方法の人がいるけれど、
普通WASDで移動するのを彼女はキーボードの上下左右の矢印で移動していた。


衝撃だった。意味がわからない。


えっ?それどうやってスキル出すの?と聞くと矢印周りに全て配置してあるらしかった。
マウスとの距離を考えるとギュッと縮こまった姿勢でやってる感じ。


夜中にWASD移動を教えてたらそりゃいきなり出来るわけもないけれど唐突に泣き出してしまった。

相当動揺して「すぐに出来ないのは当たり前やで」「やれば出来るようになるから」みたいなことを矢継ぎ早に口走った気がする。


落ち着いてから話を聞くと彼女的にもその操作方法がおかしいのは自覚していて人に相談出来なかった。その感情が溢れてしまったらしい。


その場ではスムーズに出来なかったけれど、元々廃人なので最終的には普通に移動できるようになった。
やはり人間やれば出来るものである。

わざわざデフォルトから変えるのかは謎ではあるけれど。

 

他にも「掌」を「こぶし」と呼んだりとアホな所もあったのだが、その他エピソードについてはまた後日。


今はもう連絡先もわからない。
いいことも嫌なこともあった。

自分にとって本当に特別な存在だったな。
今でもまた一緒に遊びたいし話して近況なんか聞きたい。

そんな人はあなたにいるだろうか。